G-NQ80WYYP89
カメラ・レンズの構成

ズームレンズと単焦点レンズの比較

ズームレンズと単焦点レンズの比較

前のページでは、レンズの種類(広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズ)について大まかに解説しました。今回は、ズームレンズと単焦点レンズの違いについて解説します。

ズームレンズ、単焦点レンズとは、

★ズームレンズ:レンズ1本の中でズームができるレンズ(便利!)

★単焦点レンズ:ズームができない焦点距離が固定のレンズ。ズームレンズが開発される前から存在しています。ズームするときは自分の足で近づく必要がああります)

昔は単焦点レンズが当たり前でして、焦点距離を変える(=写真が写る範囲を変える)ために都度レンズを交換していました。一方で、最近はレンズを交換せずにズームができるズームレンズが人気です。

表1に、単焦点レンズとズームレンズの大まかな比較表を作成しました。

表1 単焦点レンズとズームレンズの比較

※勿論レンズの種類によって画質、レンズの明るさ、重量等は変わるため全てを一概に言えるわけではありませんが、大まかな傾向としてとらえてください。

単焦点レンズはズームレンズのようにその場で簡単に焦点距離を変えられるような手軽さはありませんが、構造がシンプルなので軽くて携帯性が良く、明るいレンズが多いです。また、レンズの設計もしやすいため一般的にズームレンズよりも画質(解像度、歪みなど)が優れる傾向があります。

ズームレンズは、1本で複数の焦点距離をカバーできるため速写性(その場でサッと写真が撮れる)に優れます。また、レンズを交換するのが怖い!あるいは億劫だという方がズームレンズを選ぶ方が多い印象です。

その代わり、単焦点レンズと比較してレンズが沢山入っている(ルーペのように1枚のレンズではなく、実はカメラ用のレンズには下記図2のように複数の凹凸レンズが入っています)ため、重く、巨大な図体になりがちです。

図2 写真用レンズの断面模式図(単焦点レンズ)※黒い部分1つ1つが1枚のレンズ

ズームレンズが得意なのは、小さな子供など不規則に動き回る被写体の撮影です。単焦点レンズの場合は自分の足で寄ったり引いたりしなければならないため、シャッターチャンスを逃してしまうシーンもあります。

また、ズームレンズは人混みの中など足場が狭いところで狙った被写体を撮影するときに便利です。

単焦点レンズが得意なのは、山などの動かない風景の撮影や、背景をぼかしてピントが合っている主役を引き立てる撮影です。携帯性に優れるので、登山時や街中での散歩などでも気軽に持っていくことができます。

また、焦点距離は固定なので、予め自分で撮影するもの(テーマ)を決めてレンズを持っていくので、目的感を持って写真撮影を楽しむこともできます。

少し極端な事例かもしれませんが、実際のレンズのサイズを比較した写真が下記図3です。

図3 ズームレンズと単焦点レンズの実物の比較
※画面内最も上がズームレンズ:Nikon AF-S NIKOOR 24-70mm f2.8G ED
 真ん中の単焦点レンズ:Nikon AF NIKKOR 35mm f2 D
画面内最も下の単焦点レンズ:LEITZ SUMMICRON 35mm f2

比較として、スチール缶の缶ジュースも入れてみました。ズームレンズも単焦点レンズも物によって大きさは異なりますが、レンズ1つでこれだけ大きさが異なることがわかると思います。

図3に記載したズームレンズは、ズームレンズの中でも明るいレンズで画質が良く、巨大な部類に入ります。また、一番下の単焦点レンズはライカのレンズで画質が極めて良く、オートフォーカス(AF)ができない代わりに非常にコンパクトな作りになっています。

ズームレンズも単焦点レンズも一長一短があることはわかった。それで結局どちらを選べばいいの!?と迷う方は多いと思います。

私の経験上、スマホからステップアップして初めて一眼カメラを購入される方は1本目にズームレンズを、2本めに単焦点レンズを購入することをオススメします

1本目のズームレンズで様々な被写体の撮影にトライしてみて、自分が撮りたいものを探してみるといいと思います。また、ズームレンズは基本的に暗いレンズが多いので、室内での撮影で不便することが出ると思います。

その際、2本目のレンズとして明るい単焦点レンズがあると室内でも撮影しやすくなります。また、お散歩用のレンズとして気軽に持ち出してみると撮影する頻度も増えると思います。

なお、私はズームレンズ+単焦点レンズ(マクロレンズ)からスタートし、あれこれ変遷した後手持ちのレンズの9割が単焦点レンズ、ズームレンズが数本に落ち着きました。(山岳写真撮影に使用するので画質と携帯性+レンズの美しさ(笑)を重視)

今回は、ここまでとさせていただきます。

それでは、また!