G-NQ80WYYP89
カメラの魅力とは

スマホの写真と一眼カメラの写真の違い

スマホの写真と一眼カメラの写真の違いについて

スマホで誰でも簡単に写真が撮れるようになりました。

出かけた先で一枚、子どものかわいい様子を一枚等スマホでよく写真を撮影するようになった方が多いと思います。

高性能カメラを搭載したスマホが普及し、コンパクトデジタルカメラ市場が急激に縮小した世の中ですが、スマホで写真を撮影していてこんな経験はありませんか?

・あれ、子どもがかわいく撮れない(顔が歪んでいる)

・皆で集合写真を撮ったけど、端っこの人の顔が歪んでいる

・花を撮ってみたけど、なんだかただの記録にしか見えない(見た目そのまま)

・室内で撮影したら、写真の解像度が少し悪くてザラザラしているように見える

これらは、一眼カメラを使用することで解決することが可能です(勿論レンズの品質によりますし、スマホで撮影した画像をソフトで編集することで改善することは可能です。が、いちいち編集するのは面倒ですよね。)

このページでは、スマホの写真と一眼カメラの写真の違いについて大まかに解説していきます。※大まかな傾向として記載しているので、全てのスマホやレンズでそうなるものではありません。

スマホと比較して一眼カメラ(一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ)の特徴としては、

★背景の「ボケ」により、写真の主役が明確になる

スマホと一眼カメラでは一般的に写真が写るフィルム(デジタルカメラの場合はセンサー)のサイズが大きく異なるため、一眼カメラの方が焦点(ピント)が合う範囲(被写体深度)が狭い傾向があります。

焦点が合う範囲、と言われてもピンとこない方もいるかも知れませんが、例えば自分の顔の近くに人差し指を持ってきて指を凝視すると、指以外の後ろの風景がボケますよね。

このはっきり見えている奥行き方向の範囲が「被写体深度」です。

あくまで参考例ですが、花畑にある美しい花を撮影したい!と考えたシーンを想像します。イメージ図になりますが、同じ範囲が写るレンズ(同じ焦点距離)でスマホで撮影した場合と一眼カメラでお花を撮影した場合との比較を図1に示します。

図1 背景のボケの比較写真イメージ(左:スマホ 右:一眼カメラ)

スマホで撮影した場合は、手前の花も奥の方にある花も全て同じように写るので、人の見た目に近い絵が撮れます。一方で、一眼カメラで撮影した場合は、自分で最も着目していた手前の花だけにピントが合っており、背景は全てボケます。

写真を一目見たとき、一部だけにピントが合っていることからその部分が写真の主役であることがはっきりと伝わります。

同じように人物を撮影したケースを考えてみると、図2のようになります。

図2 人物写真における背景のボケの差のイメージ(左:スマホ 右:一眼カメラ)

※あくまでイメージ図です。実際はレンズの種類や焦点距離によってボケの程度は異なります。

スマホで撮影した場合は背景含め全てピントが合っているので、人の目で見た状況をそのまま絵にしたように撮れます。一方で、一眼レフカメラで撮影した場合では人物以外の背景がボケるため、写真を見た人の目線が自然とピントが合った人の方に向き、ピントが合っている人物の存在がより強調されます。

このボケが自然に描写できるのが一眼レフカメラの特徴の1つであり、人の眼で見た絵とは異なる表現ができます。状況証拠的な写真から脱却し、物事に感動して写真を撮影した「動機」を主役として強調して表現できるのが大きな違いです。

★写真の歪ひずみの差

スマホで人を撮影すると、顔が縦に伸びたように写ったりしてかわいく撮れず、不満を感じたことはありませんか?それは、レンズのひずみ(歪、湾曲収差)が原因です。

特に広い範囲を撮影できる広角レンズで顕著ですが、小さなスマホにサイズを優先してレンズを設計するため、レンズの歪が出やすい印象があります。

レンズの歪を解説するために、例えば下記図3のように、レンガが積まれた壁を撮影したケースを考えます。

図3は少し極端にデフォルメしていますが、スマホのように歪が大きいレンズで撮影すると左側の絵のように本来垂直に交差しているはずのレンガの境界線が曲がって写ります(歪みにも種類がありますが、今回は樽型の湾曲収差を想定)。

図3 写真の湾曲収差(歪 ひずみ)のイメージ(左:スマホ 右:一眼カメラ)

一方で、一眼レフカメラの大きなレンズ(画質を優先して湾曲収差を低減)の場合では、見た目通りの歪んでいない写真を写すことができます。

※一眼レフカメラのレンズの中でも、コストやサイズを優先して作製しているレンズでは写真の端の方で湾曲収差が目立つ場合もあります。

★室内で撮影したときの写真の解像度の差(高感度ノイズの差)

室内で写真を撮影したとき、外で撮影したときと比較して写真がざらついているように見える、あるいは室内の写真の解像度が悪いと感じることはありませんか?

それは、「高感度ノイズ」の影響です。別ページで解説しますが、光の量が少ない室内では、カメラのセンサーが沢山光を取り込むために「感度」を上げて撮影しています。

「感度」を上げると光に対してより敏感になるため、いわゆる「ノイズ」という邪魔者も取り込みやすくなります。ノイズが多いと写真の画質が悪くなるため、通常はスマホやカメラの中で画像処理をしています。

この画像処理の関係で、本来の写真の画質が劣化するケースが多いため、ノイズが多いほど写真の解像度が悪くなる傾向にあります。

上記を画像で表現すると、下記図4のようなイメージです。同じ人物を撮影した画像のイメージですが、よく拡大して見ると左側のスマホで撮影した画像のほうが全体的に写真がざらついていて、解像度が悪いことがわかります。

※あくまでイメージで、この高感度での画質の差がカメラの品質の差として差別化されています。最近は画像処理技術の進歩でスマホで撮影しても画質の劣化が少なくなりました。

図4 高感度撮影における画質の差のイメージ(左:スマホ 右:一眼カメラ)

このようにスマホと一眼カメラの写真とでは大きな差があるため、よりきれいな写真を撮影するために一眼カメラにチャレンジしてみる人も多いです。

以上をまとめてみると、

★背景のボケを活かして写真の主役を明確にすることができる

★歪み少なく撮影することができる

★室内で撮影しても高感度ノイズが少なくきれいに撮影できる

というところがスマホと一眼カメラを比較して一眼カメラが得意な点です。

今回はここまでとさせていただきます。

それでは、また!